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工務店経営に役立つ情報「Aqura EYE」
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工務店経営に役立つ情報「Aqura EYE」 4/30号

今週の二ュースVOL.41

○はじめに

 日本の住宅業界は、環境対策の取り組みが盛んになっている。国だけでなく民間でも、国の後押しを受け「グリーンプロジェクト」を立ち上げ、最先端の「技術開発エコ」を機軸とした、新しいビジネスの開発が動き出している。
 エコリフォーム、太陽光発電、さらにはCO2の見える化、グリーンカーテンといった最先端の技術が開発されている一方で、陰に隠れた「負の遺産」の存在が気になる。それは、「空き家」問題であろう。
 4月24日のR.E.port最新不動産ニュースによると、国交省が市町村を対象に「空き家」や「空地」についてのアンケートを実施した結果、回答者の約7割にあたる877団体が「外部不経済」をもたらす土地利用が発生していると回答。
 「外部不経済」とは、たとえば空地が放置状態となり、だんだんと廃棄物が堆積したりすること。治安や景観の悪化、不動産価値の低下につながるということを意味している。
 「管理水準の低下した空き地」(回答数562)、「耕作放棄地」(同543)、「管理水準の低下した空家や空店舗」(473)などが発生している事が明らかになった。
 新しく展開される街づくりは、様々な環境も良くなり、街自体の資産価値も上がる一方で、少子化・高齢化が進み、不必要な土地や廃墟化する空き家なども増えてくる。
 廃墟をスクラップしたら、大量の廃材が生じる。ハウスメーカーによる華やかな環境技術の開発も必要だが、実際の現場で起きている廃墟化への歯止め対策も、いまから確実に着手して いく必要があるのかもしれない。

◎ヒートアイランドへの反省、グリーンオアシス化する大都会

 4月22日のフジサンケイビジネスアイによると、積水ハウスによって都心に里山を作ろうという取り組みが始められているという。プロジェクト名は「5本の樹計画」。
 気候風土に合った自生種・在来種の樹木を、エンドユーザーの住まいに植えていくというもの。5本のうち、「3本は野鳥、2本はチョウのために」をスローガンに掲げており、すでに07年度は80万本の植栽を行ったという。
 さらに、こうした取り組みを行った庭同士をつなげていくことで、住宅地全体を緑で覆うという「n×豊か(エヌバイユタカ)」の試みとして、全国的な広がりを見せつつあるという。
 今までであれば、こうした取り組みは地方の一部のマニアックな層の流れであったが、最近はそうでもないらしい。こうした取り組みは「住宅地にとどまらず、都心部の大型再開発案件でも行われている」という。その中でも、注目を集めている実例として積水ハウスと大成建設が共同で行っている「本町ガーデンシティ」(大阪市中央区)が紹介されている。
 同街区は27階建て、高さ132メートルの超高層ビルで、2010年6月末に完成する予定だという。植栽と水といった、エコガーデンを大いに意識しているこの大都会のプロジェクトでは、工事現場を囲む形で設置されている長さ約164メートルの仮囲いの上に、約1400本の草木からなる「緑のカーテン」が設置されている。
 その他、常緑6種類と落葉8種類などの植栽を配置。内側の通路には地下水を利用したネット給水システムによる「水のカーテン」を施工。
 この給水システムは大成建設が独自に開発したもので、建設現場で採用されるのは初めてだという。仕組みは、「仮囲いの内側の通路側面にネットを張って、上部からネットに水を流し込み、水が蒸発する気化熱で周囲の温度を下げる」というものだ。
 環境対策における新しい取り組みには、常に先端技術が伴っている。ヒートアイランド現象の原因ともなってきた大都会でのコンクリートジャングルだが、こうした取り組みが続けば、これからは緑のオアシスに変わる日も近いかもしれない。


工務店経営に役立つ情報「Aqura EYE」 4/23号

今月のニュース vol.40

はじめに

4月14日の中部経済新聞によると、一宮市の注文住宅の東陽住建が愛知、岐阜の顧客を対象にした「住宅メンテナンス相談室」を開設した、という記事があった。
このエリアでは倒産が相次ぎ、メンテナンスが受けられず困っている人からの相談が増えているとのこと。
相談室にはリフォーム専門スタッフを配置し、住宅のメンテナンス・マニュアル冊子「お住まいのお手入れガイド」も無料配布もするとのこと。そして大きな工事だけではなく、1件1万円未満の軽微なメンテナンス作業も可能な限り応じるということだ。
今後、こうした取組みを永続的に行って行くのであれば、素晴らしいことだと言える。
地域工務店によるメンテナンス対応は、かつて介護保険制度が導入された頃、一斉に『介護リフォーム市場が誕生』する、ということで流行を見せた時期があったが、結局「高齢者はお金を使わない」という意見が業界の多数を占め、真面目に対応をしてこなかった。
しかし、新築が本格的に厳しい状況になってくると、「福祉」・「エコ」リフォーム、小さな営繕・修繕でも対応する、といった姿勢に変わってくるハウスメーカーも増えてきた。
大手も、ローコストや企画住宅には見向きもしなかったが、今やなんでもありになっている。
そんな中でも、新築住宅が「売れる、売れない」に左右されず、使命としてじっくりと「介護」・「福祉」リフォームの地域相談等を、地道にやってきた地域工務店や建材店もある。
そうしたところが、地域を守る工務店としての「ポリシー」を堂々と掲げ、存在価値を示して行くのだと思われる。要はぶれない・左右されない、継続したポリシーを貫くことが肝要である。

◎パナソニック電工が省エネのインテリア照明

15日の日刊工業新聞によると、パナソニック電工が新商品として省エネ性の高い蛍光灯を搭載した住宅用照明器具6品種33アイテムを21日から順次発売するという。
いずれの商品も、従来の白熱電球と比較して「80%」の省エネができる「インテリア照明」というのがウリ。
価格は、1万3000円~5万8000円と高価格帯であるが、新しい環境ビジネス市場の拡大と捕らえれば、高価格で「モノ」が売れていくというのは良い傾向と考えたい。
価格競争が激しい昨今では、開発してもどんどん安くなり、産業は萎縮してしまう。「高くても良いものには適正にお金を支払う」という市場は必要であろう。
もちろん、無駄に利益を上乗せして「高い」というのは論外である。
ちなみに同社では、省エネ照明器具を2012年までに、現状の約50%から70%まで引き上げる取り組みの一環という。遠くない将来、従来の白熱蛍光灯はオーディオカセットテープやドーナツレコードのように市場から姿を消すのかもしれない。

◎住宅瑕疵担保法の内容認知度が98.8%に

15日の建設通信新聞によると、住宅瑕疵担保履行法の認知度が「98.8%」になったという。ただ、認知されているのは、建設業と宅地建物取引業といったプロの事業者だという。
ちなみに、認知度を調査した内容は、「10月1日以降に引き渡す新築住宅に保証金供託または保険加入が義務付けられる制度であることを知っているか否か」ということだから、業界ではほぼ全員に制度の周知が行き届いたと言える。
国土交通省としては、建築基準法改正の際の混乱を招いたトラウマから、徹底的な周知活動を行ったようだ。
「これまでに全国で566回説明会を開き、参加者は約7万6000人にのぼっている」という。かなり精力的な周知活動と評価できる。
その一方で、この法律が「保険料は一括払い」「賃貸住宅も対象」であることは、認知度が8割以下にとどまっているとのこと。
次は、工務店が、お施様に「中間検査の必要性」「完了検査の必要性」といった部分を説明する必要性が出てくるだろう。


工務店経営に役立つ情報「Aqura EYE」 4/16号

今週の二ュース VOL.39

◎東京ガスが家庭の無料省エネ診断サービスを開始。

 東京ガスは、今月から東京都と連携し、「家庭の省エネ」に無料でアドバイスする「エネルギーホームドクターサービス」を試験的に開始する。

 対象地区は、久留米・西東京・清瀬の戸建住宅で東京ガスを利用している約3万5000軒。
 
 申し込んだ家庭には診断員が訪問し、省エネ行動のアドバイスや省エネ機器の導入効果などを紹介するという。

 「警戒されずに他人を玄関に入れるのはガスの検針と宅急便」と言われる。
 「飛び込みセールス」と違い、公的な雰囲気で家庭を訪問できる。
  
 今では、地デジへの切り替えに便乗したケーブルテレビなどの訪問も警戒感は低いそうだ。

 エネルギー会社による、こうした家庭訪問は、さらに新しいホームサービスの形態として、多方面に拡張できる可能性を持っている。

 地域のガス会社は、今まで、露骨なリフォーム営業などは控えていたが、最近では、耐震診断、省エネ暮らしチェックといったチラシや冊子を配布するなど頑張っているようだ。

 こうした取り組みは、いかに消費者に有効な情報を提供できるか、という視
 点で、住宅営業にも通じるヒントになるであろう。


◎景気低迷で分譲住宅も値引きキャンペーン相次ぐ

 4月14日の産経新聞によると、景気低迷が続くなか、分譲住宅会社などによる販売物件の値引きキャンペーンが相次いでいるという。

 各社ともに冷え切った「消費者心理」を好転させるのが狙いだという。紹介されているのが、トヨタホーム東京の事例。値引き方法は「抽選」によって22人を選び、最高1,000万円の値引きをするという。

 抽選で海外旅行やグルメなどが当選する販促は聞くが、住宅本体の値引きを決めるというのは、低迷する消費をなんとか活気づけようとする企業努力としてみれば評価できるのかもしれない。

 しかし、「消費の冷え込み」といった表面的な理由だけではなく、最近ではニュース報道では忘れ去られているが、不況の根本には日本の年金制度や医療制度の崩壊などがあり、これから家を買って長期にわたりローンを返済する層が、構造的な将来不安を抱えていることが問題であろう。

 1,000万円値引きしなくても、買える人がいる。逆に、1,000万円値引きしても、買えない人がいる。持ち家政策自体が、いま問われていると
 考えたい。

 「住宅を買うのは、当たり前の権利」、いかなる理由でも、自殺まで追い込まれることはないですよ」といった将来不安をなくしてあげるようなメッセージが、日本全体に必要かもしれない。


◎中古住宅は7年後に流通拡大?

 4月13日の週刊住宅によると、08年は約47万戸だった中古住宅の流通量が15年には50万戸程度に増加する見通しだという。

 これは社団法人不動産流通経営協会(FRK)がまとめたもので、「インスペクション(建物検査)やリノベーションの普及、中古住宅のイメージ向上などが進めば市場はさらに拡大する」と記事に紹介されている。

 調査方法は2つのパターンで行われている。先ずは、「建物検査など中古流通促進策が行われた場合」は、約54万戸。
 一方、「なにもしなかった場合」は約49万戸と何れも「流通は拡大する」との評価となっている。

 しかし、「中古住宅を流通させよう」という目標を持ち、しっかりと対策をして7年間で7万戸の増加。これを多いとするか少ないとするか・・・

 検査の徹底などで売り物にならない物件なども出てくる可能性もある。現在の不動産業がなかなか中古住宅性能保証制度を利用しないのは、検査によってボロボロの物件が結構あることがわかり、逆に値段が下がってしまうことを恐れているという側面がある。

 中古車業界は点検簿付きとそうでない車があるため、購入者は逆に自己責任によって選択できる。「欠陥車だと分かっていて1年間乗る」そんな若者も多い。
 住宅も同様に点検簿・インスペクションの有無によって価値が判明すれば、選択する購入者(住み手)の自己責任も生まれてくる。逆に、点検簿なし物件の価格が極端に急落してしまえば、なんとか修繕して高く売ろうとするのが新しい不動産流通の知恵になるだろう。スラム化は避ける必要がある。


工務店経営に役立つ情報「Aqura EYE」 4/9号

今週の二ュース VOL.38

はじめに

今週、共同通信など複数のメディアが報じたニュースに、三洋ホームズが販売した住宅を将来に買い取り約束するというものがあった。
買い取り保証は最長30年間で、買い取った物件をリフォームして再販売するという。例えば2,700万円で買った物件は、10年後に約800万円、30年後には約200万円で買い取る保証だという(土地は買い取り時点で市場価格の95%)。条件としては、きちんと維持管理していることなどが前提となる。
取り組み自体は良いことだと思う。しかし考えさせられるのが、とても画期的な取り組みにも関わらず、今の住宅業界のシステムの限界を片方で物語っているということだ。
その理由は、まずこの住宅は「投資物件」なのか「居住物件」なのかというところ。投資物件にしたらメリットがあまりに低すぎる。
また、定期的にメンテナンスして大切に住むはずの2,700万円の住宅が、50年持たずに800万円になってしまうのか・・・という空しさ。これでは、国策で進める100~200年の長期住宅の資産価値は本当に減らないのか、と勘ぐってしまう。おそらく、2,700万円の家も5,000万円の家も、長期耐久性能という部分では、スペックはさほど変わらない。2,700万円の家だって、立派に高い耐震等級を満たしていれば、長期にわたって住める住宅となるのだから。
極論を言えば、チバリーヒルズで買った1億円の家は、30年後にはゼロになる可能性がある。しかし田園調布で買った2,700万円の家は、30年後には3,000万円で売れるかもしれない。資産価値とは、つまり建物本体の価値だけではなく、街区や居住環境の稀少性、プレミア性、オリジナル性といったこだわり部分があってこそ成立するものであると考える。
それでは、長期住宅で資産価値が減らない中古市場は、幻想に過ぎないのか・・・。否、長期住宅の資産価値維持の発想は、スペックだけに偏らず、魅力的な生活居住環境を同時に作っていくという作業が不可欠になる。例えば火星に高級住宅を建てても、だれも住まないのだ。三洋ホームズの取り組みは、そんな「現実」に気付かせてくれた事例として、「画期的な出来事」であるかもしれない。


◎「完成保証制度」の義務化が始まる?

4月3日の静岡新聞によると、金子一義国土交通大臣が、住宅完成保証制度の制度義務化などについて言及したと言う。
記事によると、「4月2日の衆院消費者問題特別委で、富士ハウスの破たんした問題を受け、建築会社が倒産した時に住宅を完成させるための「住宅完成保証制度」について、見直しを含めて検討を進める考えを示した」というのだ。
大口善徳議員(公明、東海比例)が完成保証制度への加入義務化について検討してみてはどうか、という質問に対して、金子国交相は「完成保証の義務付けは一つの課題」と答弁。同時に「利用率は必ずしも高くないが、(制度の)点検を含めて、コストの高さや使い勝手の悪さがあるかなどを検討してみる必要がある」と答えたということである。
完成保証制度の義務化は、消費者にとってはとても喜ばしいと言える。なぜかというと、万が一、富士ハウスのように倒産しても、自分が支払ったお金が保証されるので無駄にならないからだ。その一方で一番の課題は、工務店が「企業体力」や「資金力」といった部分で格付けされてしまうこと。つまり、保険会社はなるべく倒産リスクの少ない工務店に加入してもらいたい。そのため、多くの中小工務店にとっては、保険加入の際には過去数期の決算書の提出や経営者との綿密な面談、さらに経営指導など、中にはとても嫌がることも受け入れなければならない可能性がある。
またもう一つの課題は、瑕疵担保保険義務化と同様に、指定保険機関でなければ保険取り扱いがダメということになれば、ビルダーや建材商社などが独自に行ってきた完成保証制度との整合性や調整なども必要になってくるということ。
こうした中小工務店への対策について金子国交相は、「大手だけでなく、中小のメーカーにもガイドラインを広げることや、ガイドラインの中で強制力を持たせるようにできるのかを含め、検討したい」と述べたというから、義務化になればもはや他人事ではない。ただ上手に制度を利用すれば、中小工務店の格付けアップに繋がり、消費者に安心して自信の住宅を売れるようになるとも考えられるだけに、継続して注目していく必要がある。


◎住友林業が支店にOB客専用窓口を設置

4月1日の住宅産業新聞によると、住友林業は住宅事業本部の全国の67支店に「オーナーズサポートグループ」を1日付で設置したという。これは自社の物件を購入した「オーナー」に対して、充実のアフターサポートをして行こうというものだ。この記事の中で気になる部分が、「住まいに関するサービスを、それぞれの地域に根ざした形で充実させる窓口とする」という部分だ。支店長の他に「副支店長」を設置してアフター専任にさせ、さらにオーナー専用サイトも充実させるとのこと。
記事によると、具体的な業務内容は「住友林業グループが提供する住関連サービス(新築・建て替え・住み替え・リフォーム・仲介・保険・インテリア・外構工事)の総合受付・対応業務」、「『住友林業の家』のオーナー宅への直接訪問による情報交換、及びクラブ
フォレスト加入への勧誘に伴う家歴管理データの充実」など。「67支店に、副支店長以下スタッフとして134人のオーナーズサポート担当を配置した」という。
同社のオーナー専用サイトは「クラブフォレスト」と呼んでおり、双方向ツールとしてリニューアルするとのことだ。例えば、工事の進捗状況をウェブを通じて確認できるサービスを実施。さらに引き渡し後には「マイページ」をオーナーに持たせ、自分自身でカスタマイズ可能な家歴管理をしてもらう。補修依頼などがインターネットを通じて行えるとともに、住まいの維持管理履歴情報が蓄積できるシステムだ。
こうしたアフターサポートシステムを導入した背景には、当然のことながら6月4日に施行される「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」がある。長期優良住宅の認定には、建築・維持保全の計画、定期点検と必要な補修・交換、住宅の履歴書の作成及び保存の義務などが盛り込まれている。工務店としても、今後は建てた後のサポートシステムを構築していく準備がますます必要になって来る。
大手ハウスメーカーの住友林業が「地域に根ざした形で充実させる」ということを示しているのだから、サポートプログラムも画一的なものではないものが求められているということか。大きなヒントにしたい取組みではある。


工務店経営に役立つ情報「Aqura EYE」 4/2号

今月のニュース vol.37

はじめに

最先端のシステムが、「長期優良住宅」の名の下に、続々と登場している。今回のニュースにもあるICタグがその代表例である。
大手ハウスメーカーが、このタグについては、国の主導によって導入に向けて着々と準備を進めている模様。しかしこれはまだ技術開発を終えて、実証実験が行われている段階。実用化にはまだコストも掛かり、一部のハウスメーカーのみが限られた効果しか得ること
は出来ないだろう。
しかし、「考え方」自体を大いに参考にすべきだと思う。建材の履歴を、製造段階から流通、施工現場と来る流れを性格に把握しておけば、維持管理のメンテナンスの際には貴重な資料となるからだ。
つまり、しっかりと建築を担当した工務店が、それぞれの建材の耐用年数などを把握してデータ化していれば、大仕掛けなシステム導入等不要である。
そのデータをどのように蓄積して行くかは、課題ではあるが、それこそ、そうしたノウハウが誕生した暁には、工務店ネットワークとして共有できうるものであると考えられる。


◎エコ的リフォームは、食のエコ分野にも進出?

3月25日のFujiSankei Business i.によると、住宅リフォーム会社のオクタという会社が、埼玉県小川町の農家と有機米の一括購入・生産委託契約を結んだという。その理由は、なんと「社員の食糧確保と有機農家支援」だという。
この会社は、リフォーム建材の分野では塩ビクロスの使用の廃止や、珪藻土やムク材など自然建材採用をするなど、エコへの配慮やシックハウス対策のリフォームなどを得意とする会社。そんな会社が、今度は「食」の分野へ、独特な形で進出したことになる。
この取り組みは「こめまめプロジェクト」と名付け、「社員の食は会社が守る」をコンセプトとする食糧危機時代に備えた活動としても位置づけているという。
記事によると、「具体的には、小川町で38年間にわたり有機農業に取り組んできた霧里農場が指導する4軒の農家と提携」、さらに「購入したコメは希望する社員に販売」「将来的には同社の会員顧客や取引先にも販売していく」とある。地域の食の安全を守るプロジェクトとして、環境・エコに特化したリフォーム会社が関与していくという試みは、まさに地域密着ならではのモデルと言える。
地域工務店としても、様々な地域との協働活動を実施している例も多い。それをさらに発展させるために、該当する産地育成とその成果物を社員へ還元するという仕組みを作り、自社のブランド化に持っていけるようにしていくことも有効だろう。


◎「建材のスパイ大作戦」? 住設・建材のトレーサビリティを構築へ

3月27日の日刊不動産経済通信によると、経済産業省は、「ICタグ」を活用したトレーサビリティシステムの構築を進めているという。
これはなんのことかというと、ICタグという記憶装置を組み込んだ小さなチップがある。よくスパイ映画や漫画にも出で来るような、犯人の服に付けてどこに逃げているのかをモニターで把握するような小型探知機のようなものとイメージすると分かり易い。このチップをフローリングなどに貼り付けると、そのフローリングが倉庫から出た時間、現場に届いた時間、さらに家が完成したのちに、何年経過しているかといった時間経過を知ることができる。つまり、建材がメーカーより出荷されてから、施工し、完成して、メンテナンス、さらには取り壊しといった建材の生涯を、このICタグを通じて把握できるというシステムということになる。これを、いわゆる「トレーサビリティ」(追跡)と呼んでいる。こうした取組みを現在、経済産業省の旗振りで積水ハウス、大和ハウス工業、ミサワホーム、旭化成ホームズなど住宅メーカーや住宅設備・建材メーカー、住設・建材流通会社などが協働して行っているという記事だ。
これを行うメリットは、まずは「データベース管理が可能」ということ。記事によると、経産省は既に「昨年11月に参加企業と契約、その後実際に20邸を建築し、追跡実験を行った」ということだ。また、「4月1日に施行される改正消費生活用製品安全法では、浴室乾燥暖房機や食器洗浄乾燥機など9品目の販売で、定期点検が義務付けられる」ほか、さらに「消費者も製品同梱のはがきなどでメーカーに登録を行わねばならない」とある。つまり、建築施工者も、こうしたトレーサビリティシステムについて、少なからず消費者へ
の説明義務が生じることになる。
ただ、ICタグを普及させるには多くの課題もある。まずは、消費者への負担が大きいこと。そして、記事によると、「集合住宅では居住者の決定がなかなか決まらないケースも想定される」こともあるという。また「情報管理をどこで行うか」、「消費者の個人情報保護と企業の情報活用両立の観点」も必要となる。いずれにせよ、長期優良住宅の根幹システムとしても検討もはじまっている。
ICタグはあくまでハイテク装置であり、履歴追跡の便利な道具に過ぎない。それを使っても使わなくても良いから、長期住宅の時代では特に、多くの住宅企業が、履歴情報をしっかりと把握して、いざと言うときには施主に建材などの耐久年数等をサッと教えて上げられるような、履歴を把握した地域工務店がいれば心強い限りだ。


◎国策で「環境不動産」の推奨が進んでいるものの・・・

3月25日の住宅産業新聞に第二回目の「不動産市場における「環境」の価値を考える研究会(座長=野城智也東大教授)」の会合報告の記事があった。この研究会は、国交省が設置したもので、文字通り不動産における環境価値を評価する方法を考えると言うもの。
もっと言えば、環境をなんとか不動産市場においてビジネスとして成立させたいという強い意向が働いている会である。
記事では、今回の会合によって中間とりまとめとして「不動産における環境価値の評価を当面、省CO2、 省エネなどの温暖化対策を中心に行う」とする一方で、「快適性、景観、生物多様性などの評価軸は中長期的に検討する」という方向性が示されたと紹介している。
この種の取り組みとしては、ともかく基本的な方向性は、「環境不動産の評価軸を整理する」ということに尽きるのではないか。つまり、結局「どの部分・段階が環境に優しいと評価されているのか。また、その評価を受けるとどれくらい得をするのか」といった消費者が一番知りたいところに対して、どれくらい突っ込んだ情報があるかがカギとなろう。
それについて記事では、「たとえば、改正省エネ法など行政による規制のリスクや、光熱費・修繕費の削減などの収益性など環境価値を投資家、オーナーなどの負担割合やメリットなど明示して「見える化」。これによって環境不動産への投資促進を狙う」との議事録が記されている。
ただ、具体的な見える化については評価指標が多様であり、まだまだ検討の余地が多く課題もあるということだ。地域工務店としては、「不動産」という括りよりもむしろ「環境にやさしい事業者」として地域環境を自らが守る、という姿勢によって、住人の意識向上につながる自発的な資産価値向上策を啓蒙していきたいものだ。


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